外国為替市場は世界最大の金融市場と言われています。しかし、いざFXを始めようと思っても、どこから始めれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、外国為替証拠金取引(FX)を始めるための基礎知識と手順を初心者の方にも分かりやすく解説します。FXの基本から、口座開設、取引方法まで、一歩ずつ確認していきましょう。
FXは、外国為替証拠金取引(Margin Fx)の略称で、異なる国の通貨を売買する取引を指します。FXでは通貨はペアと呼ばれる2つの通貨の組み合わせで取引されます。例えば、EUR/USDはユーロと米ドルの通貨ペアを表します。ペアの左側に記載されている通貨を取引通貨、右側の通貨を決済通貨と呼びます。米ドルを含む通貨ペアはドルストレートと呼ばれ、世界の貿易は基本的に米ドルを介して行われるため、米ドルが含まれない通貨ペアはクロス通貨と呼ばれます。
FXでは、通貨ペアの価格変動を予測することが重要です。通貨ペアの価値が将来どのように変動するかを予測し、その予測に基づいて買い(ロング)または売り(ショート)の注文を出すことで、為替レートの変動から利益を得ることができます。目標は、安く買って高く売るか、高く売って安く買い戻すことで利益を上げることです。
1日あたりの外国為替取引高は数兆ドルを超えるとも言われ、世界で最も流動性の高い金融市場です。世界各地で開かれているこの市場は外国為替市場と呼ばれています。複数のタイムゾーンにまたがって 1 日 24 時間、週 5 日(月曜日の朝から土曜日の朝まで)運営されており、いつでも通貨を売買できます。外国為替市場は世界各地で開かれており、一般的に朝9時‐17時(日本時間)の取引のことを東京市場、夕方16時‐深夜2時(日本時間)のことをロンドン市場、夜21時‐翌朝6時(日本時間)のことをニューヨーク市場とし、三大市場と呼ばれています。実際の取引場所が存在するわけではなく、その時間帯に取引の中心となる銀行が存在する都市名にちなんでそう呼ばれています。
日経平均株価の値動きと連動しやすく、米ドル円、ユーロ円など円を含む通貨ペアの取引が活発になりやすい時間帯です。金融機関では、顧客と外国為替取引をする際の基準となる為替レート(仲値, TTM=Telegraphic Transfer Middle Rate)を9時55分前後に決定します。
顧客が円貨から外貨に交換するとき、仲値に為替手数料を足したレート(対顧客電信売相場(TTS=Telegraphic Transfer Selling Rate)を決定します。顧客が外貨から円貨に交換するとき、仲値に為替手数料を引いたレート(対顧客電信買相場(TTS=Telegraphic Transfer Buying Rate)を決定します。
10時前後を除くと、相場は比較的穏やかであることから、FXが初めての方でも参入しやすい時間帯と言われています。
世界最大級の為替市場であるロンドン市場がオープンすると、取引が活発化します。ユーロやポンドなどの欧州通貨が活発に取引される傾向があり、ユーロ圏の経済指標が発表される時には、値動きが大きくなる場合もあります。
米ドル円やユーロ米ドルなど、ドルストレートと呼ばれる通貨ペアが活発に取引されています。重要な経済指標や政治経済イベントの発表時には、値動きが大きくなる傾向にあります。21時から翌2時(日本時間)までの時間帯は、ロンドン市場とニューヨーク市場が重なるため、取引参加者が多く、値動きが期待できます。
外国為替市場の参加者には、中央銀行、銀行、証券会社、機関投資家、多国籍企業、個人投資家、個人消費者などが含まれます。外国為替取引は高い流動性を持ち、低い取引コストやレバレッジを利用したFX取引など、多くの利点があります。
各国の中央銀行も為替レートを安定させる目的の為替介入で、FX市場で取引を行うことがあります。日本銀行も幾度となく為替介入を行ってきました。中央銀行が単独で行う単独介入、複数の中央銀行が協調して行う協調介入、メディアを通じた口先介入などで市場心理に働きかけます。政府関係者等から発信されるけん制等のコメントには注意が必要です。介入の規模が大きければ、大きいほど市場への影響も大きくなります。
外国為替市場において大きな取引を行うプレーヤーとして、活発な取引を行っています。顧客からの注文を仲介するだけでなく、自社の運用判断に基づいた取引も実施しています。
機関投資家とは、生命保険会社や損害保険会社、年金基金などの他に、投資信託運用会社やヘッジファンドなど、資産を運用する機関を指します。運用方法は、中長期的な視点から運用を目指すところから、短期的な売買差益を目指すところまで多岐にわたります。中でも、日本の年金基金であるGPIFは、世界最大級の年金基金の一つとして認知されており、その動向はFX市場にも大きな影響を与えるとされています。
多国籍企業は、海外拠点との取引や海外での調達・販売など、事業展開においてさまざまな場面で外貨建て取引を行い、為替レートの変動による影響を受けます。
また、大きな金額の外貨建て取引を行う場合、為替ヘッジと呼ばれる手法を用い、為替レートの変動による損失リスクを回避・軽減する手法を用いる場合があります。
FX取引だけでなく、外貨預金、投資信託の購入を通じて、間接的にFX市場の参加者となります。日本のFX市場の取引量は世界でも有数の取引量を誇り、外国為替市場全体に大きな影響を及ぼしていると考えられます。活発な取引量を背景に、投機筋による仕掛けなど、市場の攻防が予想されます。そのため、為替レートの変動要因を分析するには、ファンダメンタルズ分析だけでなく、ポジション全体の動向も重要な要素になります。
旅行やショッピングでの外貨の支払いや受け取りは、外国為替取引にも影響を及ぼす可能性があります。個人の支払いや受け取りは小さいですが、今後のグローバル化が進む中でその影響は変化していくと考えられます。また、個人消費者の動向は多国籍企業の外貨建て取引の決済とそれに伴う為替ヘッジにも影響する可能性もあります。
1番目のステップは、FXに慣れることです。用語の意味、取引プラットフォームの使い方、通貨ペア、為替レート、注文の種類 (成行注文、指値注文、逆指値注文など)、証拠金の計算方法、分析方法(テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析)、金利、経済指標、地政学的な出来事など、外国為替市場がどのように動いているかを理解することが重要です。
FXを始めるには、さまざまな学習コンテンツが役立ちます。取引手法や分析方法、戦略立案などに関する知識を深めることができます。
FXを始めるための2番目のステップは、取引する会社を選択することです。各社ごとに取り扱い通貨ペア、スプレッド、スワップポイント、手数料、初回入金額など取引を開始するための条件が異なるため、比較し検討していきます。ここではFX会社を選ぶ際に考慮すべき基準をご紹介します。
FX会社が金融商品取引業者一覧に登録されていることを確認してください。金融庁は顧客の資金を保護し、公正かつ透明な取引慣行を維持するための規制及び注意喚起を行っています。外国為替証拠金取引は、金融商品取引法の登録を受けた業者でなければ行うことができません。無登録業者からの勧誘にはご注意ください。また、外国為替証拠金取引は、比較的少額で取引できる反面、差し入れた証拠金以上の多額の損失が生じるおそれのある非常にリスクの高い商品です。取引の仕組みと取引に伴うリスクを十分に理解したうえで、自らの責任で適切な投資判断を行ってください。
FX会社の登録を確認する方法は次のとおりです。
Dukascopy Japanの各種手続き書類はこちらからご確認いただけます。
FX会社の取引プラットフォームを試し、使い勝手、信頼性、取引に必要な機能、ツールを備えているかを確認します。注文機能、チャートツール、インディケーター、デバイスとの互換性、使いやすさなども確認します。
Dukascopy Japanは、JForex 3、JForex 4、MetaTrader 4の3種類の取引プラットフォームを提供しています。パソコン環境だけでなく、モバイルアプリ、ウェブブラウザなど、お客様の取引スタイルに合わせたアクティブなソリューションを提供しています。
JForex 3は、裁量取引と自動取引の両方に対応し、優れた分析機能と操作性で、より効率的な取引体験を提供する革新的かつスタンダードなプラットフォームです。
MetaTrader 4は、その信頼性、シンプルなインターフェース、幅広い分析ツールで知られ、多くのトレーダーに支持され続けています。エキスパートアドバイザー (EA) を通じた自動取引機能が特に人気です。
JForex 4は、JForex 3の機能をさらに充実させた進化系アドバンスドモデルです。インディケーターの種類を増加、テンプレート保存機能、詳細な線描機能、分析用リプレイ機能、追加情報の表示などの機能を搭載しています。
FX会社が提供する通貨ペアや金融商品の種類を確認してください。
デューカスコピー・ジャパンでは、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、豪ドル、円などの主要通貨を組み合わせた合計48通貨ペアを提供しています。
FX会社を選ぶ際には、取引コストとなるスプレッドや取引手数料を比較検討することが重要です。スプレッドは、売値と買値の差であり、この差が小さいほど取引コストを抑えられます。しかし、スプレッドは常に一定ではなく、早朝などの流動性が低い時間帯には広がる場合もあります。頻繁に取引を行うトレーダーにとって、スプレッドの狭さは大きなメリットとなります。
デューカスコピー・ジャパンでは 取引コストが分かりやすい外付け手数料を採用しています。ECN(電子取引ネットワーク)を通じてすべてのお客様に同一価格、同一フィードを提供し、透明性の高い取引環境を提供しています。世界中のプロバイダーから集約された高い流動性と競争力のある価格での取引が可能です。デューカスコピー・ジャパンのスプレッドや取引手数料の詳細については、公式サイトでご確認ください。
FX取引を始める前に、レバレッジと証拠金の仕組みを理解することは非常に重要です。レバレッジによって、少ない資金で大きな利益を得る可能性がありますが、同時に損失が大きくなるリスクも高まります。取引を始める前には、レバレッジとそれが取引にどのような影響を与えるかについて十分な知識と経験を身につけることが重要です。FXは、比較的少額で取引できる一方、差し入れた証拠金以上の多額の損失が生じるおそれのある非常にリスクの高い商品です。取引の仕組みと取引に伴うリスクを十分に理解したうえで、自らの責任において適切な投資判断を行うことが必要です。
デューカスコピー・ジャパンの必要最低証拠金とストップロス・レベル
実際の取引口座でFX取引を始める前に、デモ口座を開設して取引を練習することは重要です。デモ口座は、実際の資金を使わずに取引を練習できる仮想の取引環境です。FX会社が提供する取引プラットフォームに慣れることがお勧めです。
デモ口座は実際の取引と同様に、注文の発注、チャート分析、インディケーター、テクニカル分析などに慣れるためのリスクのない環境です。FX市場の動きや、取引の仕組みを理解し、取引スタイルを見つけるツールとして活用しましょう。さまざまな取引スタイルを試し、どの手法が自分に適しているかを見つけ、証拠金計算、レバレッジの仕組み、ロスカットの重要性、各種レポートの見方などを理解し、取引戦略やリスク管理スキルを磨くことが重要です。
実際の取引を開始する準備ができたら、ライブ口座を開きます。
ライブ口座を開設するには、以下の手順を実行する必要があります。
*デユーカスコピー・ジャパンでは初回入金1万円からライブ口座がご利用になれます。
取引スタイル、取引通貨ペア、取引数量を決定します。
取引を開始する前に、自身に合った取引スタイルを決めることが重要です。中期的なトレンドを捉えて数日から数週間程度ポジションを持つスイングトレード、一日の取引時間内で複数の取引を行うデイトレード、短時間で小さな利幅を狙うスキャルピングなどがあります。注文の種類や取引期間などを考慮し、取引スタイルを決定します。
取引スタイルを理解することが大切です。短期で利益を狙うスキャルピング、中期的なトレンド分析、長期的な投資など、さまざまなスタイルがあります。取引する通貨ペアを選択する際には、ボラティリティー、流動性、スプレッド、ヒストリカルデータを参考にしましょう。それぞれの通貨ペアには異なる特徴があるため、選択する前にファンダメンタル分析を行い、通貨ペアごとの特徴を理解することが重要です。
取引数量(ポジションサイズ)を決定します。ポジションごとにリスクを管理しながら、潜在的な利益を最大化する戦略を構築します。取引ごとに許容できるリスクを設定し、その許容範囲内でポートフォリオを管理します。
取引条件を決めたら、実際に取引を始められます。主要なサポートレベルとレジスタンスレベルでエントリーするか、テクニカル指標を使用するか、ファンダメンタルズ分析に従うかなど、取引戦略に基づいて注文を出します。取引を注意深く監視し、必要に応じてストップロス(SL)とテイクプロフィット(TP)のレベルを調整し、リスクを管理します。
売買のタイミングを特定するために、過去のチャートとテクニカル指標を用い、将来の価格変動の分析手法がテクニカル分析です。テクニカル分析の指標には、移動平均線、RSI、ボリンジャーバンドなどのさまざまな指標があります。
通貨の価値に影響を与える可能性のある経済要因、ニュースイベント、金利の変化などを分析する手法です。ファンダメンタルズ分析では、経済指標、中央銀行の金融政策、政治情勢、国際情勢などの情報を収集し、分析します。
FX取引においては、注文設定、リスク管理、取引手法、取引戦略を明確にすることが重要です。自分の取引スタイルを理解し、適切な通貨ペアを選択し、適切な取引数量を決定し、ルールを守って取引を実行することが必要です。FX取引は自己責任で行うものであることを常に念頭に置き、自身の資力と投資経験を考慮の上、自身に見合った取引を行うことが重要です。FX取引の知識と経験を重ねることで、適応力と投資判断におけるメンタル面も継続的に向上させていくことを忘れないでください。