ダウ 理論

ダウ理論はアメリカの証券アナリストであるチャールズ・ダウ氏が19世紀後半に開発された相場分析理論です。ダウ理論は外国為替市場にも応用できると考えられ、移動平均線やMACDなど外国為替市場で使用される多くのテクニカル分析のもとになっています。本ページではダウ理論の基本情報と6つの基本原理を説明します。

ダウ理論とは?

ダウ理論は、19世紀後半に米国のチャールズ・ダウ(1851-1902)によって開発されました。投資の世界に多大な功績を残したチャールズ・ダウは、ダウ・ジョーンズ社の創立、およびウォール・ストリート・ジャーナルの発行でも知られています。ダウ理論は、もともと株式市場の景気循環を探るために開発されたテクニカル分析で、100年以上の時を経てもなお現代テクニカル分析の原点とされています。ダウ理論は外国為替市場の分析にも応用できると考えられています。

ダウ理論は、移動平均線やMACDなど、外国為替市場で使用される多くのテクニカル分析の元になっています。この理論では、市場のトレンドは段階的に変化し、投資家の行動はその段階によって異なる傾向を示すと考えられています。例えば、「トレンドフォロー(順張り)」や「逆張り」のようなトレード戦略は、ダウ理論の核となる考え方を取り入れています。また、直近の高値と安値をサポートレベルやレジスタンスラインとして捉える手法もあり、この手法はダウ理論の原理に基づいています。ダウ理論は、現代の外国為替市場における市場分析とテクニカル分析の基礎となるものであり、その基本概念は現在もなお、トレーディング戦略や意思決定に影響を与え続けていると言えるでしょう。

ダウ理論の基本原理

ダウ理論は 6つの原理で構成されます。

  1. 平均価格はすべてを織り込み済みである

    需要と供給に影響を及ぼすあらゆる事象を平均価格に織り込み済みであるという法則です。ファンダメンタル要因、自然災害などの予測不可能な事象、ポジティブな情報もネガティブな情報も、入手可能なすべての情報が現在の価格に織り込まれており、すでに反映されていることを示唆しています。外国為替市場でも、経済データ、金利差、金融政策、自然災害などのすべての要因が為替レートに織り込まれていることを意味します。あらゆる事象が織り込まれたチャートを分析することで、テクニカル分析の有効性と正当性を担保する概念です。

  2. ダウ理論はアップトレンド/ダウントレンドを定義しています。連続する高値および安値が以前の高値・安値を上回ることをアップトレンド、また連続する高値および安値が以前の高値・安値を下回ることをダウントレンドとしています。

    ダウ理論におけるアップトレンドの例
    123
    123
    ダウ理論におけるアップトレンドの例
    123
    ダウ理論におけるダウントレンドの例

    ―トレンドを期間別に3種類に分類
    ダウ理論が提唱する3つのトレンドは、長期トレンド(プライマリーサイクル)、中期トレンド(セカンダリーサイクル)、短期トレンド(マイナーサイクル)です。これらのトレンドは、市場の全体的な方向性と根底にある動きを理解するために役立ちます。

    長期トレンド(プライマリーサイクル):市場の長期的な方向性を示すトレンドです。通常、1年以上、場合によっては数年続くトレンドです。一連の高値と安値の上昇によって特徴付けられる強気市場、または一連の高値の低下と安値の低下によって定義される弱気市場のいずれかによって市場が向かう大きな方向を表します。日足または週足などの長期のローソク足チャートを用いてトレンドの方向性や強弱を分析することができると考えられます。

    中期トレンド(セカンダリーサイクル)長期トレンドの中で発生する短期的な調整であり、数週間から数カ月程度続くことが一般的です。主要なトレンドに対する逆トレンドとして機能します。たとえば、強気市場では、全体的な上昇傾向が再開する前に、価格が下落する期間(二次的な弱気トレンド)が存在する可能性です。これらの修正は市場にとって健全であり、取引手法に応じてエントリーまたはエグジットの機会を提供します。1時間足や4時間足などの短期的な時間軸で分析することで、トレンドの方向性や強弱を分析できます。中期トレンドは時に長期トレンドに逆行する可能性がありますが、必ずしもトレンドの反転を示すものではなく、調整局面と捉えることもできます。

    短期トレンド(マイナーサイクル) これは最も短いトレンドであり、数分から数日続くこれらの短期的な動きは、市場全体の方向性に対する影響は最小限です。これらは、ニュースイベント、短期的な投資家心理、ランダムな市場ノイズなど、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があります。短期トレンドはデイトレーダーにとっては取引の機会を提供します。長期的な主要トレンドに焦点を当てているスイングトレーダーにとっては 短期トレンドはあまり関連性がないかもしれません。30分足やより短いローソク足チャートを用いて分析できます。短期トレンド(マイナーサイクル)は中期トレンド(セカンダリーサイクル)内の調整局面と捉えることもできます。

  3. 長期トレンドを3つの段階で考える

    第1段階 先行期、市場全体への普及がまだ進んでいない段階で、価格の動きは緩やかです。上昇も下落も可能性として考えられます。

    第2段階 追随期、相場変動に反応して参加者が増えてくると、急激な変動が起こりやすくなると考えられます。

    第3段階:利確期、報道での取り扱い頻度が高まり、出来高も増加します。一般投資家や初心者の参加も増えます。しかし、同時に利益確定が始まり、トレンドは徐々に勢いを失い、最終段階へと収束していくと考えられます。

    長期トレンドを3つの段階で考える図
  4. 平均値は相互に確認する必要がある

    ダウ理論は当初、ダウ・ジョーンズ工業株平均(DJIA)とダウ・ジョーンズ鉄道株平均(DJTA)の傾向を確認することに焦点を当てて構成されていました。外国為替市場では、米ドル指数が重要な指標として広く参照される傾向があります。FRBの動向は他の中央銀行もそれに応じて政策を調整することが多いため、市場全体に大きな影響を与える可能性があります。米ドルは主要な決済通貨として重要な役割を果たしています。例外はありますが、他の通貨ペアからの直接的な影響は比較的小さい傾向があります。クロス通貨ペアであっても、FRBの金融政策全体の方向性に一致する傾向が見られます。

  5. トレンドは出来高でも確認しなければならない

    ダウ理論によれば、取引量の増加は相場の上昇を伴い、その逆も同様です。長期トレンドが上昇であれば、出来高は価格の上昇に比例する傾向があります。一方、調整局面では出来高は減少する傾向があります。価格と出来高が反比例する場合は、トレンド転換の可能性が示唆されると考えられます。FXでは、市場全体の出来高を正確に把握することは難しく、この理論が必ずしも当てはまるとは限らないという見解もあります。

  6. トレンドは明確な転換サインが出るまで続く

    ダウ理論では、明確な転換サインが出るまでトレンドは継続する傾向にあると考えられています。例えば、上昇トレンドで高値を更新せずに安値が更新された場合、または下降トレンドで安値を更新せずに高値が更新された場合などが該当します。

    トレンドの転換には、主要な支持線と抵抗線(サポートラインとレジスタンスライン)のブレイク、取引量の大きな変化、価格と関連指標の乖離などが関連している可能性があります。

    トレンドは明確な転換サインが出るまで続くことを示す図

よくあるご質問

エリオット波動とダウ理論の違いは何ですか?

ダウ理論とエリオット波動理論はどちらも市場の動きを解釈することを目的としています。ダウ理論は一連の原則に基づいてトレンドと市場の局面を特定することに重点を置いているのに対し、米経済学者ラルフ・エリオットが確立した分析理論、エリオット波動(Elliott Wave)は市場の価格変動内の特定の波動パターンを特定しようとしています。

  • エリオット波動理論: 波動の分析には経験と慣れが必要ですが、より詳細な予測を立てられる可能性があります。
  • ダウ理論: 市場のトレンドとセンチメントを理解するための基礎的な理論として知られています。初心者から経験豊富なトレーダーまで、幅広い投資家にとって有用な分析ツールの一つと言えるでしょう。

エリオット波動は、推進5波・修正3波が基本形

エリオット波動とダウ理論の違いを示す図

エリオット波動の3原則

  1. 推進波1,3,5の中で3波は最短にはならない。
  2. 推進2波が1波の始点を超えて修正することはない
  3. 推進4波が1波の高値を割り込まない
エリオット波動の原則を示すチャート例
エリオット波動のカウント例
エリオット波動とダウ理論の比較例
エリオット波動のカウントを表示するインディケーターは?

相場の波動を視覚化するZigzag(ジグザグ)は、設定ルールによって高値と安値を選択します。Zigzag(ジグザグ)は線描、相場の流れや転換点、エリオット波動の視覚化をサポートします。Zigzag(ジグザグ)はDepth, Deviation, Backstepによって設定され、デフォルトは12,5,3、Depth値を変更することで最高値/最安値を調べる期間を変更、線描される山や谷の起伏を変更できます。

Zigzagでエリオット波動のカウントを表示する例
ダウ理論のエントリーポイントはいつですか?

上昇トレンドの先行期では、価格が上昇し始めていますが、まだ多くのトレーダーは参加していません。テクニカル指標やダウ理論の原則に基づいた分析手法を用いて、追随期の調整または統合フェーズでエントリーしてくる傾向があります。ダウ理論は、全体的な市場トレンド(長期トレンド)とそのトレンド内のさまざまなフェーズを特定することに重点を置いて、潜在的なエントリーポイントまたはエグジットポイントを示します。

ダウ理論のエントリーポイントの例

免責事項

本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、外為証拠金取引は元本や利益を保証するものではありません。レバレッジ取引のリスクなどはご自身の責任において判断してください。また、システム障害等で取引が中断・遅延する場合もあり、本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

本免責事項に記載のない事項については、別途定める契約締結前交付書面、取引約款等が適用されます。

出所:Dukascopy Swiss

お問い合わせ

サポートチャット

営業時間
9:00-17:00 (土日祝日を除く)

0120-077-771

営業時間
9:00-17:00 (土日祝日を除く)

お問い合わせフォーム
よくあるご質問 (FAQ)