FXチャートのフラクタル構造とトレードへの活用法

FXチャートのフラクタル構造とは何か、その使用方法とは？

フラクタル（Fractal）という言葉が指し示すものとは何か?　数学や物理学の文脈でよく知られるフラクタルは、FX取引にも無関係ではありません。この世の出来事と現象に全て因果が存在するように　FXチャートの中にもそれらの現象は日々繰り返されていきます。フラクタル構造とは、フィボナッチ数列などと同様に自然界に存在する根本原理の一つです。この記事では、FXにおけるフラクタル構造及びフラクタルインディケーターについての考察と、それらをどのように取引に適用していくかについて考えていきます。フラクタル構造は自己相似性を指し示します。つまりある図形を分解してその構造一つ一つが同じ形状を繰り返している現象を指し示します。 簡単に言えば、特定の形状が規則的に繰り返されて構成される構造及び現象、ミクロにもマクロにも観測できる事象を表します。フラクタル構造は、自然界に必然として観察され、例えば　雪の結晶、雲、雨、水、植物、山、川、生物の細胞組織にいたるまで 　あらゆるところに観測できると考えられています。

 

FXにおけるフラクタル構造とは何か？

５本のローソク足に見るフラクタル構造

５本のローソク足に見るフラクタル構造の基本ブロック

マルチタイムフレーム分析

マルチタイムフレーム分析におけるフラクタル構造の捉え方

フラクタルインディケーターシグナルを適用する上で考えるべきこと

FAQ

 

FXにおけるフラクタル構造とは何か？

 

FXチャートは、１分足、１時間足、4時間足、日足、週足、月足など様々な時間軸で表現されます。チャートが上下しながらN字型を形状していくとするとその形状は、その下の時間足、さらにその下の分足へと辿っていくことで　同様のN字型計上を確認できたりします。チャートの時間足を拡大していく又は縮尺していくと異なる時間軸に同じ形状が繰り返されていく、すべては波であり波形は繰り返されていく、小さな同じような形の集合体が大きな同一の形を構成する、そう考えていくとこれらはフラクタル構造の基本概念と合致します。

チャートは、N波動でできている、ZigZagインディケーターを使いN字型とその派生形を観察していくと相似するパターンが認識できます。異なる時間足のチャートをジャンプしながらパターンを探していくとフラクタル構造と認識できる類似パターンが散見されます。大切なのは想像力かもしれません。探しているものは規則性と相関性に繋がる可能性がある形状とパターンです。上位足を観察して下位足の情報を掴む、及び下位足を観察して上位足で確認するという考え方になります。チャートは、上昇と下降を繰り返すN波動パターンによって構成されると定義します。波動は互いに重なり満ち引きを繰り返しながらN構造及び複雑なジグザグを形成していきます。脈々と繋がっていくN波動及びジグザグ模様には　政治経済、市場心理、すべてのファンダメンタルズと多岐にわたる要素が織り込み済みの具現化された結果であり　その動きはフラクタル構造の概念そのものと考える事ができます。その上で自然界の理と同様に規則性と規則的構造は状況に適応して形状を変化させると定義します。

フラクタルの概念に基づいて特徴的な形状（フラクタルパターン）を考察します。異なる時間足においてフラクタルパターンを認識することで　潜在的な傾向、反転の可能性を形状及び構造で認識し、サポートとレジスタンスのレベルについての洞察を得られます。

トレーダーは、日々様々な時間足を確認して、相場のトレンドを多角的に分析します。チャートを異なる角度から捉え、俯瞰して相場分析に努めます。１分足や５分足のような短期的な価格変動、１５分足や１時間足の中期的流れ、４時間足や日足でトレンドを認識、考察して大きなスコープから小さなスコープへ又は小さなスコープから大きなスコープへ視点を動かしながら相場の分析を行います。

５本のローソク足に見るフラクタル構造

構造やパターンに焦点を当ててフラクタルについて考えてきました。ここでは更にミクロな視点で5本のキャンドルに焦点を当てていきます。

ビル・ウィリアムズが開発したトレンド系インディケーター　Fractalについて考察します。一般的なデフォルト設定で５本のキャンドル、Downフラクタル(青)は　両側の２本の高値よりさらに高値、Upフラクタルは、両側の２本の安値よりさらに安値（黄色）として定義されます。

Fractalインディケーターは、5 つの連続するローソク足によって形成される個別のパターンを分析します。Up又はDownの矢印で示される計５本のローソク足は価格変動の山または谷を表し、中央のローソク足が隣接するバーと比較して最高値または最低値を示します。このパターンは市場の方向性の潜在的変化を知らせるのに役立ち、さまざまな取引戦略の重要な要素と考えます。5本のキャンドルとフラクタル構造の相似性を追求していくと説明が複雑になるのでここでは深堀は避けて　あくまでもフラクタルインディケーターとはどういうものかに焦点を当てていきます。

FXチャート上の一見単純な 5 本のローソク足に示されるフラクタルインディケーターシグナルは、潜在的な価格変動に関する洞察が含まれています。実際にその構造をどのように読み取って解釈していくかを考察します。フラクタル構造の相似性とまではいかずとも何となく似ている形状は観察されます。

５本のローソク足に見るフラクタル構造の基本ブロック

フラクタルインディケーターにより定義されるフラクタル（シグナルが示す5本のキャンドル）は、一般的なデフォルト設定（設定変更可能）により価格チャート上の 5 つの連続したローソク足と矢印で構成されます。重要な要素は矢印が点灯する中央のキャンドルです。強気の（Bullish）Upフラクタルでは、中央のバーが両側の 2 本のバーと比較して最も低く　逆に、弱気の（Bearish）Downフラクタルでは、中央のバーが最も高い値になります。

これらのシグナルが示すフラクタルパターンは反転の可能性を示しており、強気の（Bullish）Upフラクタルは上昇反転の可能性を示し、弱気の（Bearish）Downフラクタルは下方反転を示します。

フラクタルは、パターンが完了したときにのみ確認されます。つまり、5 番目のローソク足が閉じると、フラクタルは有効であると判定されます。

（出所：当社提供）

Example:

USD/JPY チャートを分析する際には、上向きのUpフラクタル、矢印が下から上（Bullish）（黄色）が形成されていることに気づき、潜在的な購入シグナルを示すと考えます。中央のローソク足は、5 本足パターンの中で最も低くなります。これを確認するには、5 番目のローソク足が閉じて、フラクタル形成が固まるのを待ちます。同時に、MA（移動平均線）などの他の指標をチェックして、トレンドが上昇をサポートしていることを確認します。エントリーしたら、リスクを管理するため、フラクタルの最低点（矢印が点灯したキャンドルの下足）のすぐ下にストップロス設定を考慮します。このストップロスの設定は、（Bearish）Downシグナル（青）が観測されるまで有効と考えられます。同時にエントリーされたポジションはカウンターシグナル（反対のシグナル）によってエグジットできると考えられます。同方向のシグナルが継続する場合は　だましのシグナルを除いて時合のトレンドが継続していると考えられます。トレンドを包括的に確認するためにフラクタルインディケーターだけでなくMA（移動平均線）などの他のインディケーターによりトレンドを継続的に確認します。

マルチタイムフレーム分析

フラクタル構造の相似性、考え方、使用方法について考察してきました。ここでは、フラクタル構造を効果的に読み取る為の、マルチタイムフレーム分析について考察していきます。より広範な市場トレンドを理解するには、日足チャートや週足チャートなど、より大きな時間枠でフラクタル構造/パターンを特定することから始めるのが有効であると考えます。そこから1 時間足チャートや 15 分足チャートなど、より小さな時間軸に移動して、更なるフラクタル構造/パターンを特定し、全体的な傾向を掴み理解しながら　決定した時間軸においてエントリーポイントとエグジットポイントを決定していきます。フラクタル構造 は、マルチタイムフレーム分析にとって不可欠な概念と考えます。その理由は確認されたフラクタル構造が構造の再現性の規則に従って一定の挙動を取る可能性が高いと考えられるためです。

フラクタル構造とその分析を応用するトレードテクニック

フラクタル構造分析と組み合わせて使用される最も一般的な取引テクニック/分析理論は、ダウ理論、エリオット波動、そしてチャート パターンです。これらのトレンド分析理論は　トレンドの傾向、波形、パターン習性に主眼を置いている為、フラクタル構造分析と非常に親和性が高く　包括的トレンド分析においてトレーダーに多くの洞察と根拠をもたらすと考えられます。チャート分析においても多くの先人の概念が今日の基礎となっています。

1. ダウ理論

   ダウ理論はテクニカル分析の基本原則の 1 つです。米国ジャーナリストチャールズ・ダウ（1851－1902）によって考案されたダウ理論は、６つの基本原理から構成され　市場は波のように動き、山と谷の分析を通じて傾向を特定できるという理論であり、高値・安値が上下しながら上昇するN波動と高値・安値が上下しながら下降していく逆N波動を 織り込み済み事象、３つのトレンド、トレンドは３段階、価格の相互認識、トレンド転換シグナルなどの角度から　トレンドを多角的に分析・定義する包括的理論/概念です。

   

   ダウ理論による　フラクタルを使用したアプローチ:

   Example:

   ダウ理論に従って観察、日足チャートが下降トレンドを示しているとします。 4時間足チャートでは、下向きのフラクタル形成が見られます。このフラクタルは潜在的なサポートレベルを示し、主要な下降トレンドの方向に売り注文で参入する機会を提示します。

   • トレンドの特定:大きな時間足を使用して、主要な傾向 (上昇傾向または下降傾向) を決定します。

     

   • フラクタルインディケーターによる確認: より短い時間枠 (例: 4 時間足または 1 時間足チャート) を使用して、トレンド傾向を確認できるフラクタル形成（ローソク足５本）を特定します。たとえば、下降トレンドでは、より短い時間枠で下向きのDownフラクタル（Bearish）（青）を探して、潜在的なエントリーポイントを特定します。

     

   • ポジション: より大きな時間枠で特定された主要トレンド（売り）の方向にポジションを検討します。より短い時間枠でフラクタルシグナルを使用して、エントリーのタイミングを微調整し、ストップロスレベルを設定します。

     

     

     

2. エリオット波動理論

   ラルフ・ネルソン・エリオットによって開発されたエリオット波動理論は、市場トレンドがトレンド方向の推進５波とトレンドに反する修正３波からなる予測可能な波パターンで動くことを提案しています。これらの波は本質的にフラクタル構造であり、どの時間枠でも同様の形/構造が観察できることを意味します。現在の価格がエリオット波動のどの波動に乗っているかを分析し、トレンドの発展と継続を評価するための概念です。

   

   エリオット波動の原則

   1. 推進３波は、１，３，５の中で最短ではない
   2. 推進２波は、１波の起点を修正しない
   3. 推進4波は１波の高値を割り込まない
   4. 例外あり、必ずしも完璧なエリオット波動が成立するとは限らない、ZigZagによってエリオット波動視覚化を試みる場合も、ZigZagの設定によって影響を受ける

   

   

   それぞれの波の中に内在するエリオット波動類似のフラクタル構造を確認することができる。

   エリオット波動による　フラクタルインディケーターを使用したアプローチ:

   • 波の識別: 全体的な波の構造 (推進波または修正波) を識別するには、大きな時間枠を使用します。

   • フラクタル構造とフラクタルインディケーターシグナルの統合: より短い時間枠で、エリオット波動のカウントと一致するインディケーターによる5本キャンドルのフラクタル パターンを探します。たとえば、フラクタルシグナルは、修正波の終わりと新しい推進波の始まりを確認するのに役立ちます。大きなエリオット波形にも　小さなエリオット波形擬似形態にもフラクタルインディケーターによる矢印のシグナルが確認できます。エリオット波形により全体の波のどの位置なのかの洞察が得られ　フラクタルシグナルによってエントリー及びエグジット判断を明確にできると考えられます。

     

   • ポジション: より大きな時間枠で特定された波形構造に基づいて取引を検討します。より短い時間枠でフラクタルを使用して波数を確認し、エントリーポイントとエグジットポイントを調整します。

    

   Example:

   日足チャートが修正波の終わりと新しい推進波の始まりを示している場合、1 時間足チャートに切り替えて上向きのフラクタルインディケーターシグナルを探します。これらのフラクタル構造とフラクタルインディケーターシグナル統合による根拠は、新しい推進波に合わせてエントリーポイントを考慮することができます。

3. チャート パターン

   ヘッドアンドショルダー、ダブルトップとボトム、トライアングル（三角形）など　各種チャート パターンは、過去のパターンに基づいて将来の価格の動きを予測するため　テクニカル分析で広く使用されています。これらのチャートパターンをフラクタル構造として定義します。チャートを異なる時間足及び大きなフラクタル構造に内在する小さなフラクタル構造など　タイムフレーム分析の観点から　チャートのパターン/フラクタル構造に焦点を当てます。

   

   チャートパターンによる　フラクタル構造を応用するアプローチ:

   • パターンの特定: より大きな時間枠でチャートのパターン/フラクタル構造を特定し、マーケット全体の構造と潜在的なブレイクアウトまたは反転ポイントを捜索します。
   • フラクタルの確認: 特定されたチャートパターン/フラクタル構造をより短い時間枠において確認します。たとえば、ヘッドアンドショルダーのパターンでは、ヘッドとショルダーの中に内在する更なるフラクタル構造を探してパターンを検証します。
   • 取引執行：フラクタルインディケーターでチャートパターン/フラクタル構造に内在するフラクタルインディケーターシグナルを確認、予想される値動きに基づいてエントリー、ストップロス、テイクプロフィットのレベルを設定します。

   Example:

   日足チャートでヘッドアンドショルダーのパターンが特定された場合は、4 時間足及び更に小さい時間足チャートに順次切り替えてヘッドアンドショルダーのフラクタル構造及び派生形を捜索します。これらのチャートパターン/フラクタル構造を確認し、フラクタルインディケーターのシグナルを統合して　根拠を持ったポジショニング戦略を考察します。小さな時間足で観測された波形（チャートパターン）は、大きい時間足でも再現される可能性が高く　観察された波形（チャートパターン）は、同様の波形を描く可能性が高いです。また、その波形が予測される波形を描かなかった場合、その時合におけるトレンド転換の可能性、その場合は、上位足でトレンドの確認、その他のインディケーターでも常にトレンドを確認します。

   フラクタル構造を使用したマルチタイムフレーム分析は、ダウ理論、エリオット波動理論、チャートパターンをフラクタル構造分析と統合することで、トレーダーは主要なマーケットトレンド、反転、ブレイクアウト ポイントを特定する根拠を高めることができます。マルチタイムフレーム分析の包括的なアプローチにより、より明確なエントリー及びエグジット戦略が可能になり、取引パフォーマンスと収益性を向上させる可能性が高まります。

マルチタイムフレーム分析におけるフラクタル構造の捉え方

Rule 1: 大きな時間軸のチャートで見られるトレンドに逆行しない

異なる時間軸を持つ一連のチャートを、包括されたフラクタル パターンのように想像してください。月足のチャートが一番上にあり、次に週足、日足、１時間足、そして最後に最も詳細な 5 分足、1分足ごとのチャートが表示されます。時間軸の階層を下に進むにつれて、細かい変化は協調されていきます。

原則として、小さい時間軸での取引の決定がより高い時間枠のトレンドに逆行しないほうが良いという考え方です。簡単に言うと、5 分足チャート 下降トレンド を分析しているが、15 分足チャートが上昇トレンドを示している場合は、原則としてロングポジションをエントリーすることが望ましいと考えます。 5 分足チャートが一時的な下降を示していたとしても、15 分足チャートの上昇トレンドはより大きなトレンドを示唆しています。ただし、1 時間足チャートでトレンドが下降する場合、ロングポジションに入るのは短期的にはリスクが高くなります。大きい時間足で確認して全体のトレンドを見極めることがマルチタイムフレーム分析の基本になります。あくまでも原則としての考え方になりますが　短期足でスキャルピング戦略の場合、必ずしも上記の原則に該当しません。短期トレードの場合、短期トレンドを見極めなければ戦略は成立しません。中長期のトレンドを適切に理解した上での短期戦略構築になります。

Rule 2: 時間軸におけるエントリー・エグジットの意識の切り替え

マルチタイムフレーム分析を行う課程において、個別のタイムフレームに囚われやすくなります。5 分足チャートに基づいて取引を開始した場合、反対方向への予期せぬ動きにより、反転を期待してストップロス ポジションを移動させるなど　全体のトレンド戦略から乖離する可能性があります。それ自体の判断は正しく必要とされる判断になりますが　意識すべきなのは　全体のトレンドを把握した上での　戦略構築が必要であるという事です。中長期トレンドの解釈において日足や週足のチャートなどの全体的な方向性が正しいため、5 分足や1分足チャートにおいては短期志向になる時、大きな時間足のトレンドを意識しないで短期足での場当たり的なポジションを正当化できるかもしれません。市場は波のように動き、短い時間枠での一時的損失が時間の経過とともに利益に変わる可能性はありますが、レバレッジを使用している場合、ボラティリティが想定以上に高くなるなど、リスクは伴います。

潜在的な損失を制限するためにエントリーを開始した個々の時間軸でも　どのような戦略であれ自身が設定したルールを守ること　及び中長期トレンドに対しても適時確認する必要性があります。

フラクタルインディケーターシグナルを適用する上で考えるべきこと

1. 適切な時間軸の使い分け

   包括的な分析のために、複数の時間軸を使用して検証、考察する必要があります。長い時間足 (日足または週足)から全体的なトレンドを把握し、そこから正確なエントリーポイントとエグジットポイントを考察するために、より低い時間足 (4 時間、1 時間、30分、15分、1分) に変更して分析していきます。フラクタルインディケーターシグナルはより短い時間足ではより頻繁に現れるため、誤ったシグナルが生成される可能性も考慮しながら　複数の時間軸で戦略構築をしていきます。

   

   エリオット波動やダウ理論、チャートパターンなどに起因するフラクタル構造を分析する場合は、より長い時間枠を使用するほうが信頼性ある根拠を得る上で　望ましいと考えられます。フラクタルインディケーターを使用する場合、目的を明確化しながら　適切な時間足の選択が重要になります。

   

2. トレンドの確認

   フラクタルインディケーターのシグナルがマーケット全体のトレンドと一致していることを確認することが重要です。

   トレンドを確認するには、MA（移動平均線）やアリゲーターなどの追加インディケーターを使用することをお勧めします。

   

   

   上昇トレンドでは、Upフラクタル（Bullish）（黄色）のシグナルに焦点を当て、下降トレンドでは、Downフラクタル（Bearish）（青）のシグナルに焦点を当てます。

3. インディケーターの組み合わせ

   フラクタルを他のテクニカル指標と組み合わせて精度を高めます。フラクタルインディケーターを、RSI、MACD、フィボナッチ リトレースメントなどの指標と併用します。この組み合わせは、誤ったシグナルを除外するのに役立ち、より根拠ある取引戦略を提供します。

   

4. マーケットボラティリティ

   ボラティリティは、フラクタルシグナルの信頼性に影響を与える可能性があります。主要な経済発表や地政学的な出来事の前後など、ボラティリティが高いタイミングでは注意する必要があります。マーケットが不安定であるとフラクタルシグナルが頻繁に発生、又は誤ったシグナルが発生する可能性が高くなる事に注意します。

   

5. リスク管理

   フラクタルインディケーターシグナルを使用してエントリーする場合も通常の取引と同様に、適切なリスク管理が不可欠です。大きな損失を防ぐために、ストップロス注文を設定するなどの対策は必要です。買いの場合はUpフラクタルシグナルのすぐ下にストップロスレベルを設定し、売りの場合はDownフラクタルシグナル　のすぐ上に設定します。全体的なリスク許容度に基づいてポジションサイズを決定し、単一の取引で自身の定める証拠金の割合を超えるリスクが発生しないようにすることが肝要です。デューカスコピー・ジャパンが設定するロスカットルールは、証拠金維持率100％になります。証拠金使用率が100％に達した場合、保有ポジションが直ちに強制決済されますのでご注意ください。相場変動も念頭に置きご自身で予めリスク許容度、ストップロスレベルを設定し自身の設定したルールを尊寿することでリスクを適切に管理することが大切です。

6. バックテスト

   バックテストと実践を通じてフラクタルインディケーターシグナルをベースにした取引戦略を検証します。ライブ取引に適用する前に、履歴データで戦略をバックテストしてパフォーマンスを評価します。デューカスコピー・ジャパンが提供するJForex4にはReplay Mode機能が搭載され　選択した日にちのデータを簡易的に再生することが可能です。直近の気になるシナリオなどに対して　自身が使用するインディケーターがどのように反応するかなどを確認する作業に使用できます。

   フラクタル構造分析やフラクタルインディケーターを使用した取引戦略は、適切な時間枠を選択し、傾向を確認し、他のインディケーターと組み合わせ、リスクを適切に管理し、自身が定める規律ある取引を実践することで、トレーダーは収益性の高い機会を特定し、潜在的な損失を最小限に抑える能力を高めることができると考えられます。

   デモ口座を使用してフラクタルインディケーターシグナルをベースにした取引戦略を練習することも可能です。リアルマネーを危険にさらさずに戦略を洗練させることができます。