FXのリスク
FX取引には利益を得るチャンスがある一方で、いくつかのリスクが存在します。ここでは、代表的な9つのリスクを取り上げ、それぞれの内容と注意点を解説します。
① 強制ロスカットによるリスク
FXは「証拠金取引」と呼ばれ、証拠金(保証金)を預けて取引を行います。相場が急変した場合、損失が証拠金を超えるケースもあります。多くの国内業者では自動でポジションを強制決済(ロスカット)する仕組みがありますが、急激な変動時にはロスカットが間に合わず、不足金が発生することもあります。
② 高レバレッジによるリスク
レバレッジは、自己資金の数倍~最大25倍の取引ができる仕組みですが、そのぶん損失も大きくなります。たとえば10万円の証拠金で200万円分の取引をしている場合、1%の価格変動で約2万円の損失になる可能性があります。高レバレッジの取引はリスクが増大するため、初心者には低レバレッジの活用が推奨されます。
③ 為替変動リスク
為替レートは経済指標や地政学的リスク、要人発言などで大きく動くことがあります。自分の予想と逆に動いた場合、大きな損失につながる可能性があります。特に重要指標の発表直後はスプレッド拡大や価格の急変動が起きやすいため注意が必要です。
④ スワップポイントに関するリスク
スワップポイントとは、通貨間の金利差に基づいて日々発生する受け取りまたは支払いの金額です。高金利通貨を保有しているとスワップを得られますが、逆に支払う側になるとマイナスのスワップが蓄積し、損失を拡大する可能性があります。
⑤ 流動性リスク
市場に参加するプレイヤーが少ない時間帯(早朝や年末年始など)は、取引が成立しづらくなります。注文が通らなかったり、希望した価格で約定しなかったりする「流動性リスク」が高まります。
⑥ スリッページ発生リスク
スリッページとは、指定した価格と実際の約定価格にズレが生じる現象です。相場が急変した際に、成行注文が希望とは異なる価格で成立し、予想外の損失につながることがあります。約定力は重要です。
⑦ システム面でのリスク
取引ツールの不具合やサーバー障害、通信エラーなどにより、注文が出せない・約定しないといったトラブルが発生する可能性もあります。取引する業者の信頼性やシステム安定性を確認しておくことが重要です。
⑧ 税務リスク
FXで得た利益は課税対象です。申告漏れや計算ミスがあると、税務上のトラブルに発展する可能性があります。特に複数口座で取引している場合や、損益通算・繰越控除の扱いには注意が必要です。
⑨ 信用リスク(業者リスク)
詐欺業者・無登録業者に入金してしまうリスクです。金融庁に登録されているFX業者への入金であれば心配は無用(全額信託保全完備)ですが、無登録業者への入金は常に詐欺が付きまといます。
その他のリスク
経済危機、戦争、災害など、予測困難な外的要因による価格変動リスクもあります。こうした事象は想定外の損失をもたらす可能性があるため、リスク分散やポジション調整が必要です。