CFDと先物の違いとは?仕組み・特徴・選び方をわかりやすく解説

CFDと先物取引の違いを初心者向けにわかりやすく解説。CFDと先物それぞれの基本的な仕組みや特徴、取引期限の有無、取引時間、レバレッジ、リスクの違いを整理し、自分に合った選び方の考え方などを紹介します。両者がどのような取引なのかを比較しながら理解したい方は是非ご覧ください。

CFDとは?基本的な仕組みを解説

CFDの特徴を示す図。銘柄の豊富さ、取引時間、レバレッジ、売りからの取引を整理しています。
出所:株式会社トリロジー

CFD(Contract for Difference)は、日本語で「差金決済取引」とも呼ばれる取引です。現物資産そのものを受け渡すのではなく、取引の開始(エントリー)から終了(決済)までの価格差によって損益をやり取りします。株式や株価指数、商品、債券、ETFなど、さまざまな原資産を対象にしたCFDがあり、レバレッジを活用し少ない資金で取引しやすい一方で、価格変動の影響を受けやすい(損失が拡大しやすい)点にも注意が必要です。ここでは、CFDの基本的な特徴を順に整理します。

CFDは株価指数や商品、個別株など幅広い資産を取引できる

CFDの大きな特徴のひとつは、取引対象が幅広いことです。代表例として、日経平均株価や米国株価指数などの株価指数、金や原油などの商品、国内外の個別株、ETFなどが挙げられます。

このため、ひとつの取引の仕組みで複数の資産クラスにアクセスしやすい点がCFDの魅力です。為替以外の値動きにも関心を広げやすく、「株価指数を見たい」「商品価格の動きも学びたい」といった目的で比較対象になりやすい商品といえます。

ただし、取扱銘柄の種類や数は取扱会社によって異なります。同じ「CFD」でも、どの資産を取引できるかは一律ではないため、事前に確認しておきましょう。

CFDは、株価指数や個別株以外も取引対象にできる点が特徴です。デューカスコピー・ジャパンのCFD取引では、北海原油、WTI原油、天然ガス、軽油といったエネルギーのほか、金、銀、銅、プラチナ、パラジウムなどの金属、さらにコーヒー、ココア、砂糖、綿花、オレンジジュース、大豆といった農産物を取り扱っています。

デューカスコピー・ジャパンの商品CFD取引

CFDは比較的長い時間帯で取引しやすい

CFDは、取引対象によっては比較的長い時間帯で売買しやすい商品です。たとえば海外の株価指数や商品CFDでは、日中だけでなく夜間も値動きを確認しながら取引できる場合があります。

これは、仕事終わりの夜間に相場を見たい人や、海外市場の動きを反映した取引をしたい人にとってメリットになりやすい特徴です。一方で、すべてのCFDが常に24時間取引できるわけではありません。対象資産や取引環境によって取引時間は異なり、メンテナンス時間や休場日が設けられていることもあります。

「取引時間が長めになりやすい」という理解はできるものの、実際の取引時間は個別商品ごとに必ず確認することが大切です。

CFDは証拠金を使ったレバレッジ取引に対応している

CFDは、証拠金を預けてその何倍かの取引を行うレバレッジ取引に対応しています。手元資金より大きな金額の取引ができるため、少ない資金でも取引しやすい反面、予想と反対に動いた場合は損失も大きくなりやすい点が特徴です。

たとえば現物取引で100万円分を買うには原則として100万円相当の資金が必要ですが、CFDでは必要証拠金をもとに、それより大きな金額の取引が可能になる場合があります。資金効率は高まる一方で、その分だけ値動きの影響も受けやすくなります。

初心者にとって重要なのは、「少額で大きく取引できる」点だけを見るのではなく、「小さな値動きでも損益が大きく動き得る」点までセットで理解することです。

CFDは売りから入る取引にも対応している

CFDは、価格の上昇を見込んで買いから入るだけでなく、価格の下落を見込んで売りから取引を始めることもできます(一般に「売り建て」「ショート」などと呼ばれます)。

たとえば、ある株価指数や商品の価格が下がると考えた場合、先に売りポジションを持ち、価格が下落したところで買い戻すことで差益を狙う考え方です。現物投資では上昇局面で利益を狙うイメージが強い一方、CFDでは下落局面も取引機会になり得る点が特徴です。

もっとも、売りから入れることは機会の広がりにつながる一方で、相場が予想に反して上昇した場合には損失が拡大する可能性があります。買い・売りのどちらから始める場合でも、損切りや資金管理を前提に考えることが大切です。

先物取引とは?基本的な仕組みを解説

先物取引の特徴を示す図。差金決済、取引期限、レバレッジ、売りからの取引を整理しています。
出所:株式会社トリロジー

先物取引とは、あらかじめ決められた期日(将来の特定時点)に、特定の商品や指数などを、あらかじめ定めた条件で売買することを約束する取引です。実務では、期限まで保有せずに反対売買で決済するケースが多く、その場合は価格差によって損益が生じます。株価指数、債券、商品などを対象とする先物があり、価格変動を利用して利益を狙う取引として利用されるほか、価格変動リスクを抑えるためのヘッジ手段として使われることもあります。ここでは、先物取引の基本的な特徴を順に整理します。

先物は反対売買による差金決済が中心

先物取引は、将来の売買を約束する取引ですが、実務では期限まで保有せず、途中で反対売買を行って決済するケースも見られます。この場合、建てた価格と決済した価格の差額によって損益が生じます。

たとえば、買いで建てた先物を、その後により高い価格で売って決済すれば利益となり、反対により安い価格で売れば損失になります。売りから始めた場合はこの逆です。こうした仕組みから、先物取引は価格差を利用して損益を狙う取引として理解されることが多くあります。

もっとも、先物の決済方法は商品によって異なります。株価指数先物のように差金決済が行われるものがある一方、商品によっては最終的に受渡決済となる場合もあります。そのため、初心者向けには「多くの先物は期限前の反対売買で損益を確定させるが、商品によって最終決済方法は異なる」と理解すると整理しやすいでしょう。

先物は限月があり取引できる期限が決まっている

先物取引の大きな特徴のひとつが、「限月(げんげつ)」があることです。限月とは、その先物を取引できる期限、つまり満期のことを指します。先物は、いつまでも同じ銘柄を持ち続けられるわけではなく、あらかじめ決められた期限までに決済するか、必要に応じて次の限月へ乗り換えることになります。

たとえば、同じ株価指数先物でも、商品ごとに複数の限月が設定されています。日経225先物を例に挙げると、3月・6月・9月・12月の限月が設定されており、期限が近づくと取引の中心となる限月が移っていきます。継続的に取引したい場合は、こうした限月の管理が必要です。

この点は、一般に限月を意識せずに取引できるCFDとの大きな違いのひとつです。初心者にとっては、先物は「価格を見るだけでなく、いつまで取引できるかも意識する商品」と考えるとわかりやすいでしょう。

先物は買いだけでなく売りからも取引を始められる

先物取引は、価格の上昇を見込んで買いから入るだけでなく、価格の下落を見込んで売りから取引を始めることもできます。これは先物の代表的な特徴のひとつで、上昇局面だけでなく下落局面でも利益を狙いやすい仕組みです。

たとえば、今後価格が下がると考えた場合、先に売り建てを行い、その後に価格が下がったところで買い戻して決済すれば利益になります。反対に、予想に反して価格が上がれば損失になります。

このように、先物は相場の方向に応じて買い・売りの両方から取引できるため、現物投資よりも柔軟な売買がしやすい一方で、方向を誤ると損失が生じる点には注意が必要です。

先物も証拠金を使ったレバレッジ取引ができる

先物取引も、証拠金を預けて、その何倍かの取引を行うレバレッジ取引の仕組みを持っています。実際に取引対象そのものを全額買うのではなく、必要な証拠金を差し入れて取引するため、比較的少ない資金で大きな金額の取引が可能です。

これは資金効率の面ではメリットになり得ますが、その分だけ価格変動の影響を強く受けます。予想どおりに動けば効率よく利益を狙いやすい一方で、予想と反対に動いた場合は損失も大きくなりやすく、証拠金不足にも注意が必要です。

初心者にとって大切なのは、「少ない資金で大きな取引ができる」という点だけでなく、「小さな値動きでも損益が大きく変わり得る」という点をあわせて理解することです。先物は仕組みとしては比較的わかりやすい面もありますが、レバレッジがかかる以上、資金管理と損切りの考え方は欠かせません。

CFDと先物取引の違いを比較

CFDと先物取引の違いを比較する図。仕組み、期限、銘柄、取引時間、単位、レバレッジ、コスト、扱いやすさを整理しています。
出所:株式会社トリロジー

CFDと先物は、どちらも価格差を利用して損益を狙うデリバティブ取引です。いずれも証拠金を使ったレバレッジ取引ができ、買いだけでなく売りから取引を始められる点は共通しています。一方で、取引の仕組み、取引期限、取引単位、コストの発生の仕方などには違いがあります。ここでは、初心者が比較しやすいように、主な違いを項目ごとに整理します。

取引の仕組みが異なる

CFDは、取扱会社が提供する店頭取引として提供される商品が多く、建てた価格と決済した価格の差額によって損益をやり取りします(差金決済取引)。なお、日本には取引所CFDもあります。

一方、先物は取引所に上場された商品を売買する取引です。実務上は反対売買によって損益を確定させるケースが多いものの、商品によって最終決済の仕組みは異なります。取引所が定めたルールに基づいて取引される点が、CFDとの大きな違いです。

先物には限月があり、CFDは一般に期限を意識しにくい

先物取引には限月があり、取引できる期限が決まっています。そのため、同じ建玉をいつまでも持ち続けることはできず、期限までに決済するか、必要に応じて次の限月へ乗り換える必要があります。

これに対してCFDは、先物取引のように限月管理を前提として取引する商品ではありません。この点は、期限を意識して取引する必要がある先物との大きな違いのひとつです。

取引できる銘柄の広さに違いがある

CFDは、株価指数、商品、個別株、ETFなど、幅広い資産を対象とした商品が用意されていることがあります。ひとつの仕組みで複数の資産クラスに触れやすい点は、CFDの特徴のひとつです。

一方、先物は取引所に上場された商品を対象に取引するため、取引できる銘柄や限月は取引所のルールに基づいて決まります。取引対象の広さを重視するならCFD、上場商品としての明確なルールを重視するなら先物、という見方もできます。

取引時間はどちらも商品ごとに異なる

CFDは、対象資産によっては比較的長い時間帯で取引しやすい商品があります。海外の株価指数や商品を対象としたCFDでは、日中以外の時間帯にも取引しやすいことがあります。

一方、先物も商品によっては日中取引に加えて夜間取引に対応しています。そのため、単純に「CFDの方が長時間取引できる」「先物の方が短い」とは言い切れません。どちらも、実際には対象商品ごとの取引時間を確認することが大切です。

レバレッジはどちらにもあるが、考え方は商品ごとに異なる

CFDも先物も、証拠金を使って取引するため、手元資金より大きな金額の取引が可能です。ただし、実際にどの程度のレバレッジになるかは、対象資産や必要証拠金、相場状況によって変わります。

そのため、「CFDの方が常に高レバレッジ」「先物の方が常に低レバレッジ」と一律に考えるのではなく、取引する商品の必要証拠金や想定損失を確認したうえで判断することが重要です。

取引単位は先物の方が大きくなりやすい(小口化された商品もある)

先物は、取引所が定めた取引単位に従って売買するため、1枚あたりの取引金額が比較的大きい商品が多い傾向にあります。初心者にとっては、少しの値動きでも損益が大きく動くと感じられることがあります。

もっとも、先物には日経225miniのように小口化された商品もあります。一方、CFDは商品によっては比較的小さい単位から取引しやすい場合も多く、取引量を細かく調整しやすいことがあります。最初から大きすぎる金額を動かしたくない場合は、この違いも比較ポイントになります。

コストのかかり方にも違いがある

CFDでは、一般に売買時のスプレッドや、建玉を保有することで発生する調整額・金利相当額などが損益に影響する場合があります。短期売買ではスプレッド、中長期保有では保有コストを意識する必要があります。

一方、先物はCFDと同じ意味での保有コストを比較しにくい場合がありますが、売買手数料や価格の刻み、限月の乗り換えに伴う実質的なコストなどを意識する必要があります。どちらが有利かは商品や取引スタイルによって変わるため、単純比較ではなく、自分の取引期間や売買頻度に照らして確認することが大切です。

初心者は「分かりやすさ」と「管理しやすさ」で選ぶのが現実的

CFDと先物は、どちらも価格変動を利用して利益を狙える取引ですが、商品設計や管理のポイントは同じではありません。幅広い資産に触れやすく、比較的柔軟に取引したいならCFDが候補になりやすく、取引所に上場された標準化商品を理解したうえで取引したいなら先物が候補になりやすいでしょう。

初心者は、どちらが有利かだけで判断するのではなく、仕組みを無理なく理解できるか、取引単位や期限管理に対応できるか、コストやリスクを把握しやすいか、といった観点で整理すると選びやすくなります。

CFDで知っておきたいリスク

CFDの主なリスクを示す図。価格変動、レバレッジ、流動性、スプレッド・保有コスト、システム、税務、業者リスクを整理しています。
出所:株式会社トリロジー

CFDは、比較的少ない資金でさまざまな資産を取引しやすい一方で、仕組みを十分に理解しないまま始めると、想定以上の損失につながるおそれがあります。ここでは、初心者が特に押さえておきたい主なリスクを整理します。

価格変動によって損失が発生するリスク

CFDは、株価指数や商品、個別株など原資産の値動きに応じて損益が変動します。予想どおりに動けば利益を狙えますが、反対に動けば損失になります。特に相場が急変したときは、短時間で損益が大きく動き強制ロスカットになることがあります。

レバレッジによって損失が拡大しやすいリスク

CFDは証拠金を使って取引するため、手元資金より大きな金額を動かせる一方で、小さな値動きでも損益が大きくなりやすい特徴があります。利益が拡大する可能性がある反面、損失も同じように大きくなりやすいため、取引数量の管理が重要です。

ロスカットやスリッページが想定どおりに機能しないリスク

相場が急に大きく動いた場合、設定していた損切り水準どおりに約定しないことがあります。その結果、想定していた損失額より大きな損失が発生する場合があります。重要指標の発表時や流動性が低い時間帯は、特に注意が必要です(流動性リスク)。

スプレッドや保有コストが損益に影響するリスク

CFDでは、売買時のスプレッドに加え、建玉を保有し続けることで金利調整額などのコストが発生する場合があります。短期売買ではスプレッド、中長期の保有では保有コストの影響を受けやすくなります。

商品や取引条件によって仕組みが異なる点にも注意が必要

CFDは店頭取引として提供される商品が多く、価格の提示方法、取引時間、調整額などは商品や取扱会社によって異なることがあります。一方で、日本には取引所CFDもあります。事前に条件を確認せずに始めると、想定と異なる取引コストやルールに戸惑うことがあります。

取扱会社や取引環境に起因するリスクにも注意が必要

CFDは一般に店頭取引として提供されるため、取扱会社の信用状況や取引環境の安定性にも注意が必要です。また、システム障害や通信トラブルが起きると、希望どおりのタイミングで注文や決済ができないことがあります。相場急変時ほど、こうしたリスクの影響は大きくなりやすくなります。金融庁(財務局)に登録されている会社かどうかも確認しましょう。

税制や損益通算の扱いを事前に確認しておく必要がある

CFD取引では、損益だけでなく税務上の扱いも確認しておくことが大切です。取引の種類によっては、税区分や損益通算の範囲が異なるため、他の金融商品と同じ感覚で考えると誤解が生じることがあります。実際の申告にあたっては、年間取引報告書や最新の制度を確認して判断しましょう。

CFDと先物取引はどちらを選ぶべき?

CFDと先物のどちらが適しているかは、一概には決められません。どちらも価格差を利用して損益を狙う取引ですが、仕組みや管理のしやすさ、取引対象の広さに違いがあるため、自分が何を重視するかによって向き不向きが変わります。

幅広い資産に触れたいならCFDが候補になりやすい

CFDは、株価指数、商品、個別株など、さまざまな資産をひとつの仕組みで取引しやすい特徴があります。また、先物取引のように限月管理を前提として取引する商品ではないため、期限管理に慣れていない初心者にとっては、仕組みを理解しやすいと感じられることがあります。

取引所に上場された商品を重視するなら先物が候補になりやすい

先物は、取引単位や限月、決済ルールなどがあらかじめ定められている取引所取引です。限月の管理は必要になりますが、商品設計が明確で、標準化された仕組みを重視する人には向いているでしょう。

どちらを選ぶかは、仕組みの理解しやすさと取引目的で考える

初心者が選ぶときは、「どちらが有利か」だけで判断するのではなく、自分が仕組みを無理なく理解できるか、取引したい対象があるか、期限管理を続けられるかといった観点で整理することが大切です。どちらもレバレッジがかかるため、選ぶ商品にかかわらずリスク管理は欠かせません。まずはそれぞれの特徴とリスクを把握したうえで、自分に合った商品を検討してみましょう。

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